2024年に創建1300年を迎える香椎宮。
1300年にわたり人や土地を紡いできた歴史は愛そのものであり、
その愛を水引で表現した勅使道からの入口看板、水引本殿香椎造(かしいづくり)。
「愛つなぐ、香椎宮。」
香椎宮は福岡市東区に鎮座します。
実はこの香椎宮、全国に16社ある勅祭社の1社であり
大変格式の高いお宮さまなのです。
(香椎宮の他には、出雲大社、明治神宮、平安神宮、靖國神社、
春日大社、賀茂別雷神社、賀茂御祖神社、石清水八幡宮、氷川神社、
熱田神宮、橿原神宮、宇佐神宮、鹿島神宮、香取神宮、近江神宮)
勅祭社とは、古代より朝廷の崇敬が極めて厚い神社に天皇陛下よりの
御幣物を奉り、宣命を奏上する方を勅使と呼びます。
その勅使を迎えて執り行う祭儀を勅祭と言い、
定期的に勅使の御差遣を仰ぐ神社を勅祭社と称します。
御祭神には、仲哀天皇と神功皇后のご夫婦が主神であり
その御子である八幡神として知られる応神天皇、
そして海の神様である住吉大神が祀られています。
夫婦の愛、家族の愛、生きとし生けるものへの愛・・・
知れば知るほど愛に満ちた香椎宮。結婚式にもおススメです!
おこがましいかもしれませんが、女性としての強さや優しさを持って
活躍された神功皇后さまは現代の女性にも共感できることが多く、
背中をそっと後押しして下さるような気がします。
神功皇后(鹿児島県 帖佐人形)。このお人形に見守られながら作業は進められました。
この水引本殿香椎造。
細かいです。
引きで見ると絵のように見えますが、
近づくと・・・
細かいんです。
絵具だと混ぜる配合によって微妙なグラデーションを表現できますが、
水引の種類はたくさんあっても色数は限られてきます。
特にグレーなんて取り扱いが少ないですから、グレーの色幅がありません。
隣り合う色の対比によってグレーに見せる、という点ではとても考えました。
是非、看板をまじまじと御覧になってください!
そうそう。
今回、水引が結んでくれた不思議なご縁があるのです。
長くなるので、このお話はまた今度。
最後になりましたが
このような貴重な機会に携わらせていただき心より感謝申し上げます。
「愛つなぐ、香椎宮。」
自分の隣にいる大切な人との繋がりがさらに大きなご縁となってゆきます。
あなたも大事な人々の幸せを祈って愛をつないでください。
熊本地震発生から2ヶ月が経ちました。
私、西日本新聞さんのWebサイト「ファンファン福岡」でコラムを
書かせていただいているのですが・・・
前回から2ヶ月半経ってようやく更新できました。
というもの、熊本地震のことを書かずして前に進めない気持ちでは
あるけれど、簡単に地震のことや安易に頑張れだなんて
書けませんでした。
震災後すぐは救援物資を福岡市の小学校に持ち込んだり、もっと小さな
コミュニティの呼び掛けなどにも物資を運んだりもしました。
少しずつ時間が経ち、実際に現地へ赴く友人、自分たちで復興支援の
マルシェを企画したりと行動に移している周りの方々を見ながら
何も出来ていない自分が腹立たしく、情けなく時間ばかりが
過ぎて行きました。
そして震災よりちょうど2か月経った6月14日。
震災前からお仕事をご一緒させていただいていた熊本のお客さまと
お電話で色々とお話ししました。
震災直後のこと、避難所のこと、現在の暮らし、仮設住宅のこと・・・。
そして、今回被災して初めて考えたということ、
これまでのお仕事の内容のままではいられなくなったこともお聴きしながら、
「ようやく私にも出来ることがあるかもしれません!」と。
それまでも一緒にブレストしながら
「きっとこういうこと?」
「もっとこんな雰囲気では?」
「ネーミングは?」
などと、イメージを共有しながら膨らませたりアイディアを出したり、
そんなお仕事をさせていただいていました。
まだ形になっていない何かを一緒に探すこと。
そして、今回の地震で大きな被害を受けた大分県にも
お仕事をさせていただいているお客さまがいらっしゃいます。
私のお手伝いできることは小さなことですが、そこから繋がっていく
沢山のお客さまを想って丁寧に形として仕上げていくことが、
今できる一番の支援かもしれないとようやく思えた6月14日となりました。
お客さまの気持ちや未来を共有して、少し先を一緒に見つめながら
自分にできることを提供していけたらと思います。
皆さまの願いと、達磨の持つ粘り強さとあきらめないことの大切さをくまモン達磨に託して。
想いが叶っていきますように。
水引と紙、伝統と現代、ヒトとヒト。
そんなモノやコトを結びつける視点でモノ作りをしている
TIERの制作のことや日々のこと。