June 17.2022
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『日本水引』の「おわりに」にも書かせていただいたのですが、
水引を通して、日本人のユニークな文化形成の考え方や、
長い時間をかけて途切れることなくフレキシブルに変化していく、
日本文化の姿を垣間見ることができました。

お読みくださった皆様からも
「水引の本のようで、水引の本ではありませんね。
日本を知る手掛かりですね。」

とお声をいただきました。
この本をきっかけに、
これまでも、そしてこれからも大事にしていきたい"モノ"を
感じていただけたら幸いです。

水引に携わる方だけでなく、
もっと広くたくさんの方に手に取っていただきたいとの思いでした。
実際、水引以外のモノづくりや空間づくりに携わっている方や、
様々な物を見てこられた目利きの方々に手に取っていただき、
心から嬉しく、世界が広がるような想いです。

『日本水引』は内容はもちろんのこと、
本として美しく手元に置いておきたくなるように
細部にまでこだわった仕立てにしていただきました。
手触りも気持ち良いですよ。

どうかたくさんの皆さまに届きますように。

『日本水引』



June 15.2022
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新刊『日本水引』。
長い年月をかけてようやく完成しました。
その裏話。ちょっとだけ長いですが、これまで話さなかったお話を。

2013年。類書が無いと言われるなか
『手軽につくれる水引アレンジBOOK』を出版しました。
(水引工芸の指南書は出版されていましたが、出版された時代が古く、
内容の方向性が異なるので比較対象にならないとの理由でした・・・)

その頃世間の水引の印象は正直言って「古臭いもの」。
アレンジ次第ではこんなに可愛くなること、
冠婚葬祭だけでなく普段の暮らしの中で
素敵に水引を取り入れてほしい!
先ずは水引のイメージを変えて沢山の方に手に取って欲しいと思いました。

類書がない=過去の販売実績がない。あるのはリスク(笑)
「受け入れてもらえるのかな・・・」関係者の不安をよそに、
水引の印象が変わった!自分でも作りたい!と大きな反響をいただきました。

立て続けにハウツー本を出版することができ、3冊目を出した2016年。
水引を取り巻く状況が少し変化していました。

その頃にはテイストの異なる他の作家さんも含めて
水引ハウツー本の販売実績が好調なこともあり、
それらのデザイン要素を抜き出した編集本のような水引書籍も
出版されるようになりました。
同時に、水引の大事な部分が
抜け落ちてしまっているような解釈を目にすることも多くなり・・・。

水引が広がって多くの方に親しまれていることを実感し嬉しく思う反面、
正直とても複雑な気持ちになっていきました。
私は水引にとって良いことをしてきたのだろうか・・・と。

実は、その後も出版のお話をいただきましたが、
一旦ハウツー本からは距離を置くことにしました。

次の自分の役割は水引について深く堀りさげて、
水引の本質をお伝えすることではないだろうか。
こうして、水引を始めた約20年前から温め続けたことをベースに
2016年から新たな構想が始まりました。
出版社・編集者と本格的に『日本水引』企画が立ち上がったのは約3年前。

水引が単にかわいいだけのものにならないように。
アップデートするためにはその背景や意味を知ることが大事です。
知ることで時代に応じた自由で確かな判断が出来るようになると信じています。

『日本水引』。
奇しくもまたもや類書の無い本となってしまいました。
これまで曖昧になっていたことや、
ちょっとタブー視されてきたようなことにも、
私もいち読者目線で深堀りしました。
3年間書き続けて、壮大な水引の旅をした気持ちです。

この一冊をきっかけに、
新たな見方や発見、色々なお話が深まることを期待しています
次世代へ水引文化がより太く長く続くようにと願っています。

画像は原稿の一部です。
一番最初は頭の中をひたすらに手書きしました(笑)





June 10.2022
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新刊『日本水引』が発売となりました。


『日本水引』 結ぶ、祈る、贈る、日本のかたち
著者:長浦ちえ
出版社:誠文堂新光社
本の長さ:224頁
発売日:6月3日

★Amazonよりご購入はこちら
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水引のルーツや歴史、水引と関連する周辺の事柄にも触れながら
水引の源流を探る読本です。

赤白にはどのような意味があるの?
水引のマナーは複雑で難しい?
なぜ様々な作法が共在しているの?
水引の紙縒はなぜ和紙だと言われ続けているのか?

そんな疑問にも、日本という俯瞰の視点から一歩踏み込んで
貴重な図版とともに丁寧に案内しています。

諸説や通説が多い中、定説がないと言われる水引。
水引に関する出版物やインターネットなどで出回っている
内容は何故か、その裏付けは何なのか。
調べては全国各地の専門家や大学の先生方などにお話を伺いました。

水引を愛好されている皆さんや水引に携わっている方はもちろん、
水引経験はないけれど日本文化に興味がある、モノ作りが好きだという方々、
老若男女問わず楽しんでいただけるのでは、と思っています。

壮大な水引の旅。

是非ご覧ください!



June 21.2017

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先日、俳優の陣内孝則さん・タレントのスザンヌさんの番組、

『福おかぁさん』に、"縁結びの水引"として出演させていただきました。

何故、縁結びか、、と言うと、

昨今、密かに水引ブームといわれるようになりました。

そのブームの火付け役が、編集者のHさん!!!!

「この世に無い、可愛くて生活に寄り添った水引本を出したい!」

熱い情熱のもと一緒に作らせていただいた書籍。

その編集者さんが、どんどん!どんどん!幸せを引き寄せているという現実なのです。

書籍作りに一緒に携わって下さった、デザイナーHさん、お手伝いいただいたD君も

結婚・ご出産・・・と続くのでした。

そんな、編集者さんがこんな嬉しいコメントを下さいました(涙)

私も画面でご一緒できて嬉しいです。(画面の右下にスリーショット)

こんな日が来るなんてねーー!!

以下、編集者さんのコメントです♥

Hさん、ありがとうございます!

♥♥♥♥♥♥♥♥

水引デザイナーの長浦ちえさんが、福岡のローカル番組『福おかぁさん』に出演!

結婚運を上げる縁起物として水引デザインが紹介されています。


・・・そして、まさかの夢の共演!

「この本を絶対に実現させるんだ。それができなかったら編集者失格。

何がなんでも長浦さんの水引デザインを世の中の人に知ってもらいたい。

彼女のデザインは、たくさんの人に笑顔と気づきを与えてくれるはず」

そんな風に信じて、走り回ったのが昨日のことのようです。


当時はまだ、水引が何なのかも知らない人が多かった。

それが今ではテレビでもご縁を結ぶ水引として、話題にのぼるまでになりました。

これもすべては長浦さんの人柄、そして溢れる才能と行動力の賜物だと思います。

今も昔も、私は長浦さんの大ファンなのです。

彼女と仕事をするようになってから、私の仕事への姿勢も変わった気がします。

どんなに大変でも、笑顔に変えられるようになりました。


・・・そして番組内では、陣内さんからまさかのハゲいじり(笑)笑いました~!

そういえば、私が最初に彼を素敵だなと思ったのは「ここに塗るのはダイジ!」と、

笑顔で後頭部に日焼け止めを塗っていた時のこと。飾らない人だなぁと♥

って、最後はノロけですみません。


今週いっぱいは見逃し配信のTverで見られるようなので、ぜひ(日本国内のみ)。



March 27.2017
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こんなに沢山たーーくさんある手芸本の中でランクインさせて
いただき光栄至極です!!

11年前。
某インテリアショップのオリジナルご祝儀袋をデザインさせて
いただいた時、製造をお願いした水引業者さんからこれまでの
業界ではあり得なかったデザインに驚かれました。
と言いますか、、
どちらかと言うと呆れられていたという方が正しいです(笑)
それまでは、「盛る」デザインが当たり前だった中、私のデザインは
極限まで「引きまくった」デザインだったからです。

7年前。
株式会社マークスさんとご祝儀袋を開発させていただいた時も、
市場には盛るデザインが主流だった中、大胆な紙の取り合わせと
シンプルながら主張が強いデザインを提案しました。
恐らく内部的にも「コレ売れるの?売り場に入るの?」と声は
あったと思います。
挑戦しかない中、担当者と一緒に信じてデザインしました。

4年前。
「類書が無いんです。。。これだけ本がある中。。」と編集者さん。
「類書が無いので企画が通るかわかりませんが、世の中に
無いからこそ作るべきです!!」と彼女の熱意で出版できた
1冊目の水引アレンジBOOK 。
とは言え、いつも周囲には「水引って何?」と訊かれ、
「ええと、結婚式の時にお金包むご祝儀袋ってあるやん?
それに紐みたいなの掛かってるやん?」
と、説明しなければならなかった。

そして、3冊目の水引アレンジBOOKを出版した今。
私が仕事で水引をしていると言うと、
「水引!!今、流行ってますよね!!!」
と言われるまでになりました。
水引の歴史を見ても、流行り!??と私自身はちょっと不思議な
気持ちではあるのですが、認知度が高まっていることは確かに
感じることです。

今の時代にマッチしてきたこともあるだろうし、これだけ興味を
持たれ、実際に水引を始める方が増えてきたことに驚きと
喜びであります。

これまでの道のり。
水引を世の中に出す時にはいつも、熱意の塊のような
女性のご担当者が必ずいらした!!!
ご自身の企画に自信も持ち、そして私のデザインを信じて下さった。
皆、小柄ながらとてもとてもパワーに満ち溢れていました。
私はそのパワーに乗っからせていただいた。

これまで出逢った方々、
今、水引に興味を持って下さっている方々を想うにつけ
このランクインは本当に奇跡のように思えます。

そして、
これからの道のり。

熱意をもって、信じて進んでいこうと思います。


今ある現実。
皆さまのお陰だと心より感謝申し上げます。





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PROFILE
長浦ちえ

水引と紙、伝統と現代、ヒトとヒト。
そんなモノやコトを結びつける視点でモノ作りをしている
TIERの制作のことや日々のこと。