先日、和歌山県の高野山へ初めて参りました。
ご縁をいただきこの秋に開催される
「第42回全日本仏教徒会議 和歌山高野山大会」のポスター制作に
携わらせていただいたのです。
ポスターのメインモチーフである「水引日本列島」に関してちょっと
エピソードを書かせてください。
2011年3月に発生した東日本大震災翌日の3月12日。
目を疑うような凄まじい映像を目の当たりにしていました。
きっと、多くの方が直ぐにでも自分に何かできないものか・・と、
じっとはしていられない衝動に駆られたのではないでしょうか。
私もその一人でした。だけども、何も出来ない自分が情けなく
ただただ、祈る気持ちで小さな水引日本列島を作ったのでした。
一心不乱に編んでいたからか、するすると手が動いたことを覚えています。
それから2年が経ち、今回、総本山金剛峯寺の方より「水引日本列島」を
使ってポスターにできないか、と依頼をいただいたのでした。
ほんのほんの微力ながらも、お役に立てるのではないかと心から有り難く
恐れ多い気持ちになりました。そして、ポスター用に水引日本列島のサイズを
大きくデザインし直す必要があり、最初の7倍ほどに編み直したのが
2013年3月12日。・・・・最初に作ったのと何と同じ日だったのです。
(10年日記を書いているので、明確に分かるのです!)
大会テーマである「Think Japan」と水引日本列島。
大きなうねりを作ることは難しいかもしれない。
だけど、大袈裟かもしれないけど、自分のお役目というものがもしかしたら
あるのかもしれない。ポスターをご覧下さった方が、瞬間的にでも心を動かして
いただけたらこんなに幸せなことはありません。
***
そして、このようなご縁がきっかけで人生初の高野山へ。
お天気にも恵まれ、青々とした木々は生命力に満ち溢れ、自分の中の見えない
無意識中のトンガリ角が、とてつもないマイナスイオンに削られていく感覚でした。
(気持ち良すぎてねむ~~~くなる・・・)
高野山とは云わばひとつの町になっていて、案内して下さったお坊さん曰く
「京都は街の中にお寺があるけれど、高野山はお寺とお寺の間に街がある」
とのことでした。確かに・・・。鎌倉時代には2000ものお寺があったそう。
10月に開催される全日本仏教徒会議はどなたでもご参加いただけます。
高野山の自然・木々に触れるだけれも心が澄み渡ります。この機会に是非
高野山へ行かれてみてはいかがでしょうか。
「悟(さとる)」は、もともとは「覚」が語源だと教わりました。
「自覚すること」
とても大きな教えをいただきました。
水引と紙、伝統と現代、ヒトとヒト。
そんなモノやコトを結びつける視点でモノ作りをしている
TIERの制作のことや日々のこと。