January 23.2018
だから水引と出会った。
変遅ればせながら、
新年のお慶び申し上げます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

ブログの更新がすっかり滞っておりました。。

少しずつ思い出深いエピソードを綴っていこうと思いつつ
今年1回目は「水引を始めた理由」。

年の瀬にいくつかのテレビ番組、ラジオ、WEBサイトなど
取材をしていただき、その度に自分のこれまでのことや今のこと
これからのことをインタビューしていただきました。

私にとっては、取材を受けることはとても有難いことです。
宣伝ということもあるのですが、それよりも自分で言葉化する機会を
いただくということが、とてつもなく大きい。

独立してもうすぐ5年を迎えようとしている今、ようやく自分でも
そういういことだったのか、と気づきがあったりします。

それは、必ず質問される
「なぜ水引を始めたのですか?」

自分でも不思議なんですよね。水引と出会い、今、生業としていることが。
だって代々受け継がれてきた家系でもなければ、産地の人間でもない。
だからお仕事をいただけることが、
毎日こうして水引と向き合う時間を費やせることが
奇跡のようで仕方ない。

恐らく自由に作品ばかり作っていたら気づかなかっただろう自分の記憶が
お仕事を通してぼんやりと蘇えってきたのです。

私は幼い頃から、
「なんでこんなにいっぱい人がおるのに出会う人って決まっとるっちゃろ?」
と、口にすることはなかったけれどずっと不思議に思い続けてきました。
それは成長して「ご縁」と言う言葉に置き換えられることを知りました。

「今日もありがとねー」っとモノに話しかけ、モノを大事にするとモノが期待に
応じてくれるような気がしていた。
成長して「八百万の神」という言葉を知りました。

私はずっと目に見えないモノを漠然と大事に思っていて
妄想という世界で自分で楽しんでいたし信じていたのでした。

日本に暮らしていたら、けっこう当たり前の感覚だったので普通だと思って
いたけれど、パリで暮らした時にこれは普通じゃないんだ!と知りました。
と同時に、ようやく自分のアイデンティティのようなものを持ったのでした。

遠回りのように思えた色んな出来事は案外大切な一コマで、
それは「自覚」するための要素のように思えます。
今、水引というツールを使って、見えない想いをカタチにすることが
とても自然なことで、ずっと私の思っていたことはコレコレ!みたいな
違うベクトルが交差して記憶を思い出す作業をしている感覚なのです。

記憶と現実がようやくフィットしてきた、そんな感じ。


その意図は何なのか、誰が誰に何を伝えたいのか、

そうなるようにと信じて
"結ぶ"
それは小さな祈りに似たものにも思います。

豊かなご縁が結ばれるきっかけになりますように。

調和ある世の中でありますように。

お仕事を通して見えないモノをカタチにしていく。
だから私は水引と出会わせてもらい
水引を始めることになったのだと思います。


▼インタビュー記事

▼大丸松坂屋「未来定番研究所」が運営するWEBサイト
⇒ F.I.N
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PROFILE
長浦ちえ

水引と紙、伝統と現代、ヒトとヒト。
そんなモノやコトを結びつける視点でモノ作りをしている
TIERの制作のことや日々のこと。