February 15.2023
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2月15日(水)読売新聞(東京本社発行版)「はじまり考」に
水引を取り上げていただきました。
様々な情報が溢れているこの世の中、
「調べてみると、世の中に広まっている話と違う説があるぞ」
という発見から物事の始まりを考えるコーナーです。

拙著『日本水引』を読んで下さった読売新聞の記者さんが
これまで通説とされてきた「小野妹子説」「貿易品の紐説」
などとは違う、書籍で紹介した私の解釈である
「神様に贈り物を捧げる作法」を
水引のはじまりとして取り上げて下さいました。

難しい専門用語を含む水引の起源の話や、
ちょっとした解釈の違いで意味が変わってしまう水引の話を、
限られた文字数の中で幅広い読者に分かりやすく
伝えられるようにと何度も何度も熱心に
確認を重ねて下さり記事にしていただきました。

記者さんは小さな記事ですが・・・と、仰っていましたが
私はこれからの水引の文化にとって、
いや、もっと広い意味で
とても大きな一歩、大きな記事だと感じます。

丁寧に取材していただき本当にありがとうございました。



December 15.2022
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12月12日付の「神社新報」に『日本水引』を掲載いただきました。

神社本庁の機関紙である「神社新報」(神社新報社が発行する
神社界唯一の新聞)に『日本水引』をご紹介いただき大変光栄です。

本書の内容をとても的確に分かりやすく丁寧にまとめていただき
ご紹介いただきました。

本を書くにあたって、難しい内容だけれど知っていただきたい事柄や単語、
世界観をどうしたら読者に伝わりやすくなるかと悩み工夫を重ねた部分にも
触れていただき、また細部にまでこだわった装幀などにも着目していただき
ました。

そして、神社本庁近くにある神社・神道の専門書店「BOOKS鎮守の杜」
で『日本水引』をお取り扱いいただいています。学生の頃、代々木に向かう
途中でふらりと入ったことがあり、専門書の数々に当時の私は圧倒された
記憶がありますが、ここに自分の書籍が並ぶ日が来るとは・・・
感慨深いです。

今後も次の世代にバトンを繋いでいけるように微力ながら頑張っていこうと
思います。

以前の新聞掲載記事が画像では少し読みづらかったとのお声もありましたので、
下記、記事となります。
もし、宜しければお読みください。
神社新報さんは創刊以来「歴史的仮名遣ひ」を使用されています。

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贈り物をめぐる文化より生まれた「水引」の世界へ

 神祭の歴史は、捧げ物の歴史といっても過言ではない。神祭における最要普遍、即ち神社の存立基盤ともいふべきものが、神々への献上品の供進であらう。祈請や報賽など願意や謝意を問はず、人々は神々に対して最良最上の品々やその料(金銭)を捧げてきた。転じて人と人との関係へと目を向ければ、こちらもまた節目ごとの贈答の歴史である。祝儀に弔問、挨拶に見舞ひなど、慶事・弔事を問はず冠婚葬祭や節季の挨拶ほか折節、機会あるごとに人々は物品や金銭を贈り合ふ。進物は祝儀・不祝儀にかかはらず、交流・交渉にまつはる日本文化に欠かせぬものといへる。
 なほ、神祭では飲食物や物品を神饌・幣帛たらんとして調整・装飾するやうに、人と人との間で交はされる物品や金銭もまた、それらを贈り物たらしめる標示=包装が求められる。さうした包装として現代社会でも用ゐられるのが「のし紙」や「かけ紙」、「祝儀(のし)袋」や「不祝儀袋」であり、さらにはこれら包装を象徴するのが、「水引」の存在であらう。かうした今なほ馴染み深い装飾の水引をテーマに、日本神話にみたそのルーツや歴史・文化から、形状・色目、結び方まで悉く網羅したのが、本書『日本水引』である。
 本書は序文と結文を除き、表題たる「水引」以下、「礼法」「基本の結び」「元結」「陰陽五行」「水引の色」「熨斗」「結び」、そして最後の「贈答」に至る全九章で構成される。あまねく「水引」にまつはる事柄を一般に向けて、水引文化研究家の著者がわかりやすく丁寧に解説する。これまでもデザインを中心に水引を取り扱った書籍は出版されてきたが、「結ぶ、祈る、贈る、日本のかたち」と副へられた本書は、神と人、人と人とを結び取り持つ重要な役目を果たし続ける「水引」の、歴史・文化にも深く言及してゐる点で注目されよう。歴史や伝統を踏まへた上で、現代的な活用を模索せんとする著者の姿勢は、まさに「結びの文化」の体現者といふに相応しい。また、掲載される関連の画像やイラスト、筆者による見解や用語解説にも、本文だけでは語り尽くせぬ「日本水引」の世界へと、読者を魅了し、いざなはんとする著者の細やかな配慮がみられる。
 加へて、さうした水引全書的な内容と併せて印象的なのが、その装幀である。祝儀袋を想起させる水引を配したカバーデザインや、紙質・色目へのこだはりも見受けられる赤色鮮麗な四重の扉、さらにはカバー内側に祕められた「日本水引の系譜」とも言ふべき労作。これらは、水引論の担ひ手にして水引デザイナーでもある著者の、水引に対する一途な思ひを感じさせる。日本の風土や幾久しい歴史の中で培はれてきた「水引」文化。世界に誇る奥ゆかしくも興味深い日本の伝統、贈答をめぐる歴史の証人たる「日本水引」の世界を、本書を通じて覗いてみてはいかがであらう。

〈税込2640円、誠文堂新光社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉

September 23.2022
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東京神社庁さまより講演のご依頼をいただき、
神職さまに向けて約3時間ほどお話をする機会を
いただきました。

今回は、神職さまに知っていただきたい水引のお話を
お伝えさせていただきました。神社さまから参拝者の
皆さまに更に広がっていくことを願っています。

お聴きいただきましてありがとうございました。


July 25.2022
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人生初の新聞書評欄。
いつもベストセラーや映画化された書籍が紹介されているところに
『日本水引』。とても光栄です。

「水引をコンパスに日本文化を旅してほしい」
文末に書いて下さったことが私の一番の思いです。

友人、知人も『日本水引』を読んでくれました。
アーティスト、料理人、整体師、主婦や会社員。
みんな水引を触ったこともない人たちばかりですが
「何か、分かる!」
「何となく曖昧になっていたことが腑に落ちた」
と、それぞれの「何か」が発動した。
しかも、男性の割合が多いのも面白い。

私たちは「何か」の中で生きていることが多い。
息するように自然なことになっている素晴らしさもあるけれど
意識することで気づきがあり、
小さくて実は大きな喜びを味わえるのではないかと思います。

日本文化を旅する。
水引は「何か」を知るためのコンパスです。

水引の枠を越えて伝わると嬉しいし
私自身も伝えていきたいと思っています。





June 30.2022
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『日本水引』のカバー裏。
実は、ご購入下さった方が2年後くらいに
「こんな所に何だコレ!?」と気付いてもらえたら嬉しいなぁ~~と、
ニヤニヤしながらデザイナーさんと話していましたが・・・
スゴイ!皆さん、見つけるのが早いですね!笑

この図は、私の頭の中なのです。
今回『日本水引』で取り上げた内容に関する箇所の頭の中を書き出したもの。
歴史的に正確・正解の年表ではありませんのでご注意下さいね。

この本を作るにあたり、水引以外の視点にも立って
小さな点と点を繫ぎ合わせていくことを重ねる中、
様々な専門家や大学の先生などにお話しを伺いました。

水引のことではない質問ばかりする私に
先生方は不思議そうな表情をされるので

「先生、これが私の頭の中なんです。」

その頃は、思考が繋がり伸びるままにA4の紙を継ぎはぎにした
変形型の手書きの図でしたが、それをペラペラペラと広げると

「あー、なるほど。長浦さん、分かりましたよ!」

言わば地図のようなもの。
そこから四方八方に広がるお話しをさせていただきました。
ある時、最後に先生がおっしゃいました。

「これは【水引曼荼羅図】ですね。」

こうして水引曼荼羅図と命名されました。

カバー裏の色見本が上がってきた時にデザイナーさんより連絡が来たんです。
「曼荼羅図は長浦さんの頭の中なので、そんなに鮮明でなくて良いですよね!?
今の印刷が(鉛筆の)Bか2Bくらいの濃さなので、HかHBくらいに調整しようと
思うんですが...」

さすがすぎるプロのお仕事。
カバー裏まで、隅々にわたり細やかなデザインをしていただき
デザイナーさんには感謝しかありません。

『日本水引』は、
分かりやすく沢山の図像を入れて、
難しい単語の意味や補足も入れて、
老若男女、水引未経験者でも
ワクワクしながら楽しんで読んでもらいたい!
など私の(かなりカオスな)イメージと希望を
たくさんの方々にご協力をいただき形にしていただきました。
全国各地の専門家や先生方、編集のEDITHON櫛田理さん・スタッフの皆さん、
デザイナーの岩橋謙さん、多方面から校正に携わって下さった皆さま、
誠文堂新光社の中村さん、古田さん。

心より御礼申し上げます。

水引曼荼羅図を片手に水引の旅を楽しんでいただけると嬉しいです。

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PROFILE
長浦ちえ

水引と紙、伝統と現代、ヒトとヒト。
そんなモノやコトを結びつける視点でモノ作りをしている
TIERの制作のことや日々のこと。